MooN 〜Holistic Healing Room〜

2度呪詛をかけられて死にかけた話。。『1度目』 2

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1話目

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とても久しぶりに風邪をひいた。
何年ぶりだろう?
幸い数日オフが続いていたので、その期間ですぐ治るだろうと風邪薬を飲みはじめたがちっとも治る気配がない。。

セラピーのお仕事は断らなければ。
かなりがっくりしてる…

呼吸するとぜぇぜぇ気管で音がするようにもなってしまった。
かれこれ1週間以上も経過してしまったか。
熱はずっと平熱で大きく重症化するわけでもない、微妙な症状のままずるずる治らず気管まで症状を出すなんて…かなりの不覚だ。

仕事を完全に休み、これもまたかなり久しぶりにマスクをして病院へ行くと、受付の看護師さんに病院の外へ誘導される。
説明後手早くインフルエンザ検査され外で待っていてくださいと、小さなヒーターの電源を入れて病院に入っていってしまった。

ビル内にある病院なので風もないし寒さも完全な外ほどではないので、春の寒さの中なら待てそうだ。

インフルエンザ流行期間なので風邪症状がある人は簡単に院内には入れない。。昔はどうだったかな??そのくらい風邪をひいてないということか。

小さなヒーター前で脳内の記憶を探りながら暖をとり外でしばらく待っていると、検査は陰性ですのでと中に案内してくださり、待合室の椅子を温める間もなく診察室へ呼ばれる。

症状を伝えると念のため血液検査、ネブライザーと点滴治療で3日間通うことになった。明日には血液検査の結果もわかるようだ。

風邪は長引かせるものではないし1週間以上も市販薬を飲んだら肝臓に負担がかかることなどなどを軽く怒られ、反省しながら返事をして心身がしぼんでいく…。
インドネシアに行く前だというのに私は何をやってるのだろうか。。

私の落ち込みを察してくれたのか、医師が自信たっぷりに「風邪は長くても3日で治すものなんだよ。僕なら治せるよ。」と宣言して、看護師さんに私への治療指示を出してる。
優しい看護師さんに別室に案内され、血液検査と本日分の点滴とネブライザーを受けて少し気分が上がってきた。

看護師さんの動きがてきぱきスムーズで痛みもなく、職人的な無駄のない動きにリスペクトと感謝が溢れる。。
『早く治そう。』
点滴してる間天井を見つめながら私も宣言する。

始まってしまえばあっという間で、明日からの通院予約を済ませ、薬を薬局でもらい、夕陽を浴びながらとぼとぼと帰宅する。
入院したこともないし通いの点滴なんてのも初体験で面白がってる部分も少しありながら、やはり自分の不覚さにはがっくりしてるのはまだ消えていない。。

『こんな気分のままではいけないな。』

熱もないしお風呂に入ってスッキリして早く眠ろう、、玄関に入ったとたんそそくさと用意してゆっくり入浴。これでスッキリさっぱり気持ちを切り替えるとしよう。

湯船につかるころには気持ちも切り替わり気持ち良さにほっとする。

身体も温まり鏡を見れば顔色はいい。
この呼吸も3日で治るというし朝よりかは状態もいい気がする。
明日から通院頑張ってさっさと治すぞ!

『痛いっ!!』

ぶつぶつ心で言いながら着替えてたら突然お尻のすぐ下右ももの辺りにひりっとした痛みが走った。

お風呂では痛くなかったのに、何でこんなところ…?ここ数日の乾燥で肌荒れかな?弱った肌にショーツのゴムでアレルギー反応してしまったのだろうか?こんなところ??!

そっと触って見ると水疱っぽい手触りが…『え?お風呂に入った時には何もなかったよね…?』
そう声に出した瞬間に手にぷちっと大きめの水疱らしきものがつぶれた感触があった。

『やっちゃったー』
潰したことを後悔しながらも数日前の記憶が突然よみがえる。
『ここって確か何日か前に電車で熱くなった所と一緒だよね…火傷?!』

恐る恐る鏡でそこを確認すると、水疱があったあとなんて全くない。
確かに手には潰した感覚があったのに。。
そこには変わりに赤く小さな点が数個ある…盛り上がってもないし湿疹の類いでもないようだ。
よく見るとその点の位置は驚くほどきれいな形の六芒星そのものなのだ。

『なにこれ…』
ざわっと心に嫌な感覚が広がる。

そして、ひりっとしたあれほどの痛みも完全に消えていたのだった…。

 

つづく

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