MooN 〜Holistic Healing Room〜

2度呪詛をかけられて死にかけた話。。『1度目』 5

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1話目

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5

 

胸当てか、、軽装の鎧をつけた男性だろうか…突然目の前にきて私の右側腹部を勢いよく短刀のようなもので刺した。奥まで押し込まれながら刺される痛みが広がる。刺すことに夢中な男の力みすぎて歪んだ表情が見えた。

男が立ち去ると、目の前に今度は大きな板が現れた。
板の内側に無数の太く長い針が付いている。
あぁそうか、、これは棺の蓋だ。
そこに針が付いているのか。
そして立っていたから気付かなかった…私は棺の中にいる。

針が静かに迫ってきて私の視界は暗くなっていく……

 

 

数日間色んなバリエーションで殺されて目が覚めるを繰り返した。
正直消耗してるし慣れるわけではないけど、ここまで来ると処刑する側・見学している人達の心理や、処刑の歴史に触れてるようで興味深さが増してくる。

これは魔女狩りだと直感的に感じた。

歴史の本を開いたら私が受けた処刑器具は全部出てくるだろうし、場所も時代特定も難しくないだろう。

しかしそんなことや私の前世だと確認することより、この一連の流れに冷静にならなければと、ヒントや解決に繋がる可能性のある情報を探しつつ、仕事すること数日。。スーツケースの準備は整い、痺れは消えないまま旅立ちの朝を迎えた…

 

駅のホームに立ち、成田行きの電車を待つ。
この顔の痺れは飛行機の気圧で悪化しないのか…ふと些細な不安がよぎる。

『だめだ…全然フォーカス変えられてないし手放せてないじゃん』
手放しきれない切り替えきれてないことに気づき、自分自身にイライラした。

ガツンと自分に気合いを入れて背筋を伸ばし、心の中で力強く自分に向けて、そして自分を守ってくれている存在、インドネシアにも届くだろう勢いの大声を心の中で張り上げ質問する。

『私はインドネシアに行っていいのか、だめか、覚悟はできています。』

一瞬痺れが波のようにひいて、心の中に返事が届く。。そして痺れは戻ってきた。
ぐっとスーツケースの引き手ハンドルを掴み直し、タイミングよくホームに入ってきた成田エクスプレスの扉が開く。。
『行きます』

 

荷物を置いて指定席につく。
もう一度旅の行程を確認しておこうとスケジュールが記された紙を出す。

旅のテーマはハイアーセルフ・自分と出会う旅ということで、サイキックの方々の指導の元、修行と儀式をすることになっている。
事前に、今回の旅でお世話になる多くの人々や何千人もいる弟子を導くサイキックであるグル(師・先生)G氏のインタビューをYouTubeで拝見した。

はっきりとわかりやすく丁寧に話されるカリスマ性の高いリーダーな印象もあるけど、体温を感じる穏やかな優しさも感じる方だった。

土着信仰がベースにあるようだがスーフィズムが強いのかな、、秘密が多く部外者が簡単に入れないイメージが勝手にあったけど、私達のための特別な修行を組んでくださったようで、最終日に行う儀式も含め特別に実現したようだ。

旅前に説明された話を聴いてると、始まりから終わりまで儀式的で、参加者全員が目的を達成し守られるように緻密に計算されているのだなと感じた。。その一つが今回の日程だった。

今回は満月の前日に全てを終えていなければいけないのだ。
どうやら満ちる前に全てを終え、日本に着いた日に満ちる、満月にて完成するという意味があるようで、タイトな日程になっている。

いつもは勉強してから、2日ほどかけて仕入れをして一息入れてから帰国するけど、今回はその儀式的日程を厳守し、延泊せずダッシュで仕入れを済ませられるように計画しておく。

行程はジョグジャ到着後、空港から近い老舗の愛着あるホテルに1泊し、翌日待ちに待った海のホテルに移動、2泊3日滞在。
昼から真夜中までの濃厚な修行と儀式をして、1日目宿泊のホテルに再び戻ってきて1泊、翌日仕入れして夕方には空港、国内線移動から深夜便で帰国。。か。

『やっといける…』問題はまだ解消されてはいないし修行も始まってないが、この日を迎えられたことに、行けることに一息つきたくなった。

まさかこんな状態で行くことになるだなんておもいもしなかったが、先ほどの気合いで胸に火が灯り、希望も動く力もチャージされていってるようだ。

初めての旅から今までも沢山の方に助けられたことを改めて思い出していた。
本来なら私のような一般人が直接お会いできることなんて許されないほどの別格けた外れの本物偉大なサイキックの方々ばかりだった。
そんな凄い方々なのに、皆さん穏やかで気さくで温かくて優しくて笑わせてもくれた。

様々なメッセージ、日本にいたままでは経験できない神秘や奇跡も、愛も数えられないほど計り知れないほど沢山戴いた。
今回の旅も最高に特別な旅になるし、答えは得られ成長できるという確信が沸き上がってくる。完全にチャージされたようだ!

車窓から見える景色もすっかりかわり、色々している間に成田空港に到着。出発ロビーのチェックインカウンター付近にある集合場所へむかう。
今回旅に一緒に行くメンバー数人と、旅の主催者であり通訳など様々な場面でお世話になるIさんが既に来ているのがみえた。小走りでそばに駆け寄り挨拶をする。

徐々にメンバーが集まってきてどんどん賑やかになっていき会話もはずむ。全員揃ったところで、手続きして空港奥にぞろぞろ移動して、出発の時間までは各々買い物したり自由に行動する。

いつもなら出発前は友人達とお茶したりしながら待ちきれないワクワクが増していき、スキップしたい気持ちを押さえてドキドキときめいて飛行機に乗る。

ガルーダは飛行機に乗った瞬間からもうインドネシアの香りと雰囲気が充満してるので、ここからもう気持ちの高まりと嬉しさと楽しさでいっぱいになるのだ。

しかし今回はワクワクする感覚というより、、ぎゅっと手を握りしめ、覚悟というか挑むような気持ちでガルーダの飛行機に乗り込む。。

ついにはじまる…

 

つづく

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