MooN 〜Holistic Healing Room〜

2度呪詛をかけられて死にかけた話。。『1度目』10

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10

 

「皆さん海での瞑想はどうでしたか?」
現地の味仕立てのかなり甘めのコーヒーを飲みながら笑顔で質問するG氏。

もう少し海にいたい気持ちもありながらも、瞑想している最中からどんどん心身が軽くなり、終了の声がかかっても駄々をこねることなく部屋に戻ってこれた。

充足感と心地よさ…そして今の私にとって過不足の無いとても濃密で最高の瞑想時間を与えてもらえた幸福感の余韻に浸りながら、みんなの瞑想での体験を楽しく聴いていた。

今回は女神に関連するヴィジョンをみた人が多かったので、私も続いて手短に門まで行った話をシェアする。

するとG氏は優しく微笑んで「女神から心を許してもらえているんだね…」と、しみじみと感心してみんなに向けて話してくれた。

「瞑想ではなくて肉体で行きたいのよね…」しみじみの後に、ぼそっと呟いたIさんの本音の一言に笑いをこらえながら頷く。
私も次の機会とお許しがあれば、あの空間に行ってみたいと心から思う。先ほどみせてもらった庭園の美しい情景が目に浮かんだ。。

他にも、瞑想からトランスに入って踊っていた人がいたようだった。

Bさんはどうやら、彼女が女神に連れてかれはしないかと気が気ではなく、一人にならないように側で見守っていたと友人から聴いて思わず笑ってしまった。

海岸では神隠しのような現象、宮殿に連れてかれてしまう話もとても多いので本当は笑い事では無いのだけれど、、きっと女神は笑顔でみんなの瞑想を見守りつつも、陽気な彼女と一緒に海岸で踊りたいと思っただろうなぁと、そんな気がした…。

「では、そろそろ明日に備えて終わりにしましょう。」

時間があっという間に過ぎていく。終わりが見えてくると、長かった1日が短い1日に感じてしまうなぁ…

G氏が解散の挨拶をする前に手招きして一人の男性を呼んだ。

「疲れている人はいるかな?彼は電気治療のスペシャリストだから、この後必要な人は診てもらうといいよ。」

「では、僕は帰りますので…また明日ね」
G氏にご挨拶をしながら直感がガツンときた!絶対に受けた方がいいという強めの直感。

この顔面の痺れが消えるかもしれないっ!!

レストラン内でやることに話が進んでいるようだ。
早く準備してレストランに向かおうと部屋から出ようとした時、視界の隅に先程はなかったはずの大量の卵が見えた。。
ボウルのような容器に入って床に置いてあるようだけど…何故ここに?

キッチンでもない、今は修行のためだけに使っている何もないこの部屋にあるのにはちょっと違和感を感じた…。

誰かの差し入れにしても変な気がしてじっと卵を見たまま立ち止まっている自分にはっとした…!
『いけないっ、出遅れちゃった!』
それどころではなかった!慌てて部屋を後にする。

 

 

急いで来たものの、参加者の半分弱が既に集まっていて治療はスタートしていた。
立っている氏の前には椅子が用意されていて、そこに治療される人が座るようだ。

氏が治療する人の顔に手で触れると、その場所が小刻みに痙攣している…

どうやって手から電気を流してるのか疑問に思い辺りを見てると、氏は足で棒のような物を踏んだり離したりしながらを繰り返し、手の動きも連動して動いている。。

『あの棒はどこに繋がってるの…?』

更にきょろきょろと床をみると、30センチほどの棒からコードが出ていてそれがコンセントに繋がっている、、どうやら氏が電気の流れている棒を足で踏みながら、患者に手を触れると電気が流れてきて治療される仕組みらしい。
インドネシアの電圧は220V、これが重要なんだとIさんが誰かに話しているのが聴こえた。
電流に氏のエネルギーが加わって行われる治療なのだろうけど、かなり未知なる体験…感電しない不思議…やはり普通の電気治療ではなかった。

氏が軽く手で触れる度に、電気が体内に流れてくるのをしっかり感じるようで、笑ったりびっくりしたりそれぞれの反応があり、治療を終えると痛みや色んな症状が消えたり改善されているようで、またびっくりして笑っている。

どんな感覚なんだろう…?

早く受けたい気持ちをおさえながら、興味津々に治療を見つめ続けた。

 

「こんなに沢山いるの?日本人はそんなに疲れてるの?」

何人か終えて氏が周りを見渡しながら、まだまだ終わらない希望者を見てびっくりしている。

そんなタイミングで自分の番になり恐縮して椅子に座った。
ご挨拶をして氏の目を見ると、本物のサイキック特有のどこまでも深く奥が見えないけど、とても安心する心地いい瞳の色とエネルギー、愛情深く高い波動のヴェールで包まれる。。。

安心して頬の辺り目の奥まで根を張ったような顔面左側のしびれの説明をした。
Iさんが近くにいて通訳してくれて助かった。。

静かに頷くと氏の手が私の目の近くおでこの辺りに近づいてきたので目を閉じる。。
氏の手が優しくおでこに触れたとたん、かなり強い閃光が目に飛び込んできてぎゅっと目を閉じた!!!
あまりの眩しさに閉じてるはずの目をもう一度閉じようとしていたのだ。

頭の中にバイブしている携帯を差し込まれたような振動と音、かなり至近距離でフラッシュを連続でたかれたような光が瞼の中ではじけ続ける!!

「君には光が見えてるの?」
手を止めて氏が尋ねてくれた。

目を開けて無言で何度も頷く…え?他の人にはこの光は見えないの?!

そうかそうか。。と再び治療開始、再び目を閉じて、バチバチとはじける眩しい光を瞼の中で見つめながら頭の中に響く音を聴いている。
頭やおでこ、頬と丁寧にそっと触れられるたびに流れてくる電流と光は、アニメの中で人が雷に打たれて骸骨まで透けて見えてるあの絵そのままだなと、、
懐かしいアニメ映像までよみがえりちょっと笑えてしまった。

びっくりはするけどもちろん痛みもまったく無いし、電流の強めの振動もなんだかだんだん楽しくなってきて、やっぱり笑ってしまう。。
氏も私が笑ってるのをみて笑っている。
様子をまた聴いてくださったので、目の奥がまだ少し気になることを直接伝えると、その辺りに向かって的確に電気を流してくれた。

氏が終えたことを伝えてくれた頃には、久しぶりに痺れが殆ど無い状態になっていた!
『消えてる…何をしてもびくともしなかった痺れが…凄いっ!』
衝撃的に感動で、感謝を何度も伝える。
氏は笑顔で応えてくれた、、その時だった。

 

「UFOだっ!!!」

 

大きな声とそれに反応するほかの声も混じり突然にぎやかになった。

レストラン前にあるプールを越えて崖の手前にある石でつくられた手すりから見ているようだ。

突然現れた光の玉が縦横無尽に動き回っているようで、その場にいた何人かがバタバタと手すりに向かっていく。

もう一度氏にお礼を伝えて私も行ってみる。

ジャワでUFOを見ることはかなりの頻度で起きるけれど、出てくればもちろん確かめたくなるもので、みんなでわいわい見に行くのもすっかり定番だ。
特に儀式をした時はかなり多く目撃する。

UFOではないけど、空に浮かぶ不思議な光の玉も昔みたな。。
その場の結界なのか、かなり特殊な儀式の時にしか見たことがないけれど、光の玉が儀式を行う場所の入り口やそこかしこに然り気無く浮いているのだ。

それはサイキックの術の1つだと聴いて、まじまじと美しく浮かぶ光の玉を見つめた記憶がある。

今回の光はなんだろうか…?

空と海が見える位置まで移動すると、今夜の月とほぼ同じくらいのサイズ、、親指をかざせば指先に隠れるかな…存在感がある大きさであることは間違いない。
海面から4メートル程上だろうか…私が行く頃には動きも止まり、オレンジ色の光が静かにその場に浮かんでいた。。

しばらくみつめあう…深い藍色の夜空、月明かりに光る海、その間に浮かぶオレンジの光はなんとも美しく輝き浮かんでいる。

宇宙船ではないな…術の類い…でもないかな…なんだろう?偵察?

『ねーね!海岸にもう一度行ってみようよ!!』
友人の一声で、何人かでもう一度海岸に降りていくことになった。

海岸に降りてきたら、位置的にオレンジの光りは見えにくくなっていたが、まだその場に静かに浮かんでいた。
そんな光や月明かりに負けないくらい星の光も夜空を埋め尽くしている。
広い空と…南極までなにも障害の無いどこまでも続く海。

海岸を歩くほど身体も心も更に軽くなって、何かが抜けていったような爽快感とワクワク感に満たされ気持ちも高まっていく。

みんなで空を見上げながら、真夜中というのもありヒソヒソ小声で色んな話を話した。

真夜中の奇妙なハイテンションで堪えきれず吹き出して笑いながら、会話と海に溢れるエネルギーを堪能する。。
ふと会話が途切れた時に、友人が時間を確認したら真夜中の3時近くになっていた。
『そろそろ部屋に戻って寝ようか』

明日…というより数時間後にはまた始まる修行もあるし、と言いつつも急ぐ様子もなく余韻に浸りながらそれぞれの部屋に帰っていく。

砂場で遊んで帰って来た子供のようだな…そんなことを思いつつ、友人がシャワーを浴びてる間に蚊取り線香を焚き、翌日の準備などをささっと済ませ椅子に腰かけた。

シーリングファンがいい具合に煙を部屋全体に行き渡らせる。
目の前を漂う煙を見ながら1日を振り返る…タバコの火傷は変わらずヒリヒリするけど、しびれの消えつつある頬を触って思わずほっと一息つく。。
『希望が見えてきた…。』

洗面所の扉が開き、さっぱりした友人が出てきた。

なにもなくスッキリさっぱりと眠れるのはいつぶりだろう?
洗面所に入り、シャワーを浴びようと蛇口を触ったら電流が流れてきた気がしてぱっと手を離す。。もう一度そっと触るとやはり電流を感じる。
ずっとは触っていられず手を離す………え??

『、、どっち?これに流れてるの?私の体内にさっきの電気が残ってるの…?』

もう半分眠いしよく分からない自分のとっさの思考と反応に笑ってしまった。
『残ってるわけがないし、流れてたら私今感電してるわっ!』

自分に突っ込み入れながらシャワーを浴びて、蛇口を触る度に感じる電流の感覚はスルーして汗を流す。ぬるい水シャワーが気持ちよくありがたく感じて、全身さっぱりしたらさらに眠気も強くなってきた…

同室の友人に蛇口の電流の話しをしたら、きっと爆笑させて眠りを邪魔しそうだったのでそっと自分のベットに入る。
真夜中の奇妙なハイテンションは笑いの沸点が低すぎるわ…

『おやすみ…』

扉に近い側のベッドにしたので、横を向けばカーテン越しに月明かりに照らされた木々がぼんやり見える。波の音も心地よく響き、安心して眠気に身を委ねていく。。

起きたらまた新しい修行。。今度こそ色んな謎は解けるだろうか…ハイアーセルフに会えるかな…

 

つづく

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