MooN 〜Holistic Healing Room〜

2度呪詛をかけられて死にかけた話。。『1度目』11

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11

 

ベッドに入ったままぼーっと外を眺めている…

疲れもなく、スッキリしていてとても心地いい。
目覚めたら、治療後に微かに残っていた痺れも完全に無くなっていた。

何も夢を見ること無くかなり熟睡もできたようだ。
これも久しぶりだな…。

重要なメッセージの夢はジャワでも見るけれど、日本にいる時より熟睡して夢を見ない方が多いかもしれない…
この場所の心地いい高波動に完全に身を委ね安心して過ごせている効果もある気がする。

ごろごろベッドで過ごすのもいいけどそろそろ起きるか。
朝食は抜いて寝坊をしようと決めていたので、ブランチに向けて簡単に支度をする。

扉を開けると気持ちいい風が部屋の中に入ってきた。
目に飛び込む木々と空と海…この目覚めの贅沢さを思いきり深呼吸して体内に取り込む。
チャージできたところで部屋を出てレストランに向かう。

景色を楽しみながら歩いているとレストランから楽しい笑い声が聴こえてくる。既に何人か食事をしているようだ。

挨拶して友人たち近くの席につき、既に決めていた食事と、大好きなジンジャーティーも注文した。
ジャワのジンジャーティーは、紅茶に生姜をすりおろしたものか、分厚くスライスした大きい生姜が入っている。

生姜のマイルドな刺激と味がクセになる美味しさで、こんなにシンプルなものでも店によって味が違うのが楽しくて、あれば毎度注文してしまう。

友人と楽しく話をして、食事とお茶をのんびり味わい心地よく時間が流れていく。。。

そうだった。。
午後からの修行一瞬忘れてた。

今日も夜中までスケジュールで…そして最終日なんだ。
『そうか…もう終わっちゃうんだ…』

ふと、ここに至るまでの大変さと一人では決して乗り越えられなかった奇跡を振り返り、しみじみと噛み締める。

…ベストな状態でこれてたらもっとここで強くなれたのかな、、回復に時間を使うことになったことが悔しく惜しく感じてきた。
もっと修行をやっていたい気持ちが増してくる。。

『まだやっていたいな…』

少し気合いを入れながらお茶を飲み干し、修行前に部屋に戻りしっかりと身支度を整えるためレストランを後にした。

 

 

まだ修行開始まで時間があるのに既にヴィラの前は賑やかに人だかりができている。

近くにいってみると昨夜念をとってくれたサイキックの方がもう1つのお仕事であるマジカルなアイテムを販売してくれてるようだ。
長方形の机の上に美しく研磨された石やアクセサリー、香木、、既に売り切れてしまったような空いたスペースまである。

『みんな早いな…。』

売り切れた品が気になりつつ、気になるアイテムはあるかじっくりみつめる。

目移りしながら迷っていると、アクセサリーに加工してもいいのか石の購入を迷ってる友人がいたので簡単な通訳に入って、氏に質問する。

そんなやり取りと説明を通訳しているとだんだん物語の中の魔法具屋さんになったようで楽しくなってしまい、自分が購入するのをすっかり忘れて店員にいつの間にかなってしまっていた。。

『インドネシア語話せるんだねー。』
友人が購入した後で氏が声をかけてくださり、なんちゃってインドネシア語知識なので恐縮していると、氏は香木を手に取り、私に手渡してくれた。

儀式する時や部屋を浄化するのにとてもいいよと使い方まで説明してくれている。。

『え?!戴いていいんですか??』
思わず日本語で言ってしまったのに笑顔で氏が頷いてくれた。
突然のプレゼントに嬉しすぎてびっくりしながら感謝を伝える。

そろそろ始まるよと声がかかったので、もう一度氏に感謝を伝え部屋に向かう。
掌より長くて大きい香木を握り、鼻を近づけ香りを吸い込む…優しい木の香り。。
焚いたらまた違う香りに変化するのだろうなと想像し、使う日を思い描きながら思わず微笑みがこぼれてしまった。
『嬉しい。。』

いつ使おうか何に使おうか…とりあえず帰国したら部屋ですぐ使おう!
とても嬉しいギフトからの修行スタートはいい予感に満たされ、帰国後の楽しみまで戴いてとんでもなく嬉しい。

嬉しさ溢れる笑顔のまま部屋に入ると、定位置にG氏はまだ来ていないみたいだ…辺りを見渡すと昨夜見た卵が今度は窓際に移動されているのが目に入ってきた。
一晩この部屋に置きっぱなしだったのかな?

疑問がよぎりながら卵を横目で見つつ昨日と同じ場所に座る。

やはり何人か早々と素敵なマジカルアイテムを購入していたようで、見せてもらったり話を聴いてるうちに徐々にみんな集まり、始まる雰囲気が自然と部屋に広がり静かになっていく。

そのタイミングでIさんがみんなに向けて挨拶と健康確認をして話が始まった。

今日の修行は恐れを手放すことがやはり重要になるということを改めて説明されている。
Iさん主導でイメージ誘導をしてそれらを手放していくことから今日は始まるようだ。
開かれたままの部屋の入り口から見える海をみんなが見れる位置まで動き、身体の向きを変えてスタートする。

 

深呼吸して目を閉じ、誘導を聴きながら自分の中に入っていく…意識を集中して丁寧に感じ取り、、感情が次第に波動に変わる。。

その波動を海に向かって手放そうと思った瞬間、ふわっと顔にあたる風や空気が変わった気がして咄嗟に目を開けてしまった………海?!………浮いてるっ?!!

空に浮かんで遥か下に海を見下ろしている、、、無意識に身体を飛び出して来てしまったみたいだ。

足元には何もなく一瞬どきっとしたものの、落ちる気配はなく、浮遊感と言うよりは何もない空間なのに安定して立っている感覚があり、どんどん冷静になっていく。

下をじっくり見ると、波打つ海…崖や、風で揺れる草木などがはっきりとみえる。

正面をみると果てしなく広がる美しい海…この位置から見れていることに感動が込み上げてきた。。

『なんてきれいなの…』

感動と共に海をみつめていると、波や風の音と共にIさんの声が聴こえてきた。。。まだ完全には身体から離れていないようだ。

意識を再び集中させて、誘導の声に従い手放す。
深呼吸をして体内に新しい空気を取り込むと同時に部屋に意識が戻ってきた、、、

肉体の目を静かに開けると、先程まで空に浮かび見下ろしていた海を部屋の中から見つめている。。びっくりした…

Iさんから感想を求められ、みんなの体験がシェアされていく。

私も海の上にいたことをシェアしつつ経験を振り返る……同じものを全く違う場所から見るという経験がこの一瞬で起きたんだ。。。

海は海のまま、そこにありのまま在り続けていただけなのに…波動が変わり一瞬で私が動いて変化した景色…

面白い体験…なにか気づけそうな気がするのにぼんやりして言語化できない…不思議な感じだな。

「皆さん気分はいかがですか?」

笑顔のG氏がいつの間にか定位置にいらしていて声をかけてくれている。

余韻から抜けて身体の向きを元に戻し、G氏に挨拶をした。

G氏はみんなの状態やエネルギー確認をするように見渡し、早速本題に入っていく。

「皆さんにいくつかマントラを覚えてもらいます。」
「これから伝えるマントラは一切誰にも教えてはいけません。書くことも録音もいけません。聴いて覚えてください。」

部屋に緊張が走る。
本来は正式な弟子に口伝で受け継がれ教えられてく特別なマントラなのだろう。

まずは、G氏が世界中にいる弟子たちに向けてエネルギーを届けるための祈りの時間、そのエネルギーを受けとるためのマントラと手の形、呼吸の説明から始まった。
日本に帰国してからも、どこにいても繋がり続けて受け取れるということみたいだ。

「皆さんはもう僕の弟子だからね。」

いくつかある時間だけはメモしていいようで、あわててメモをとる。
そうか、、G氏はたった2日しか関わっていない私達を弟子として受け入れてくれてるんだ…。
改めて感謝の気持ちが沸き上がってくる。。手のかたちやポーズ、マントラを今一度確認して身体と脳に覚えさせる。

「では次に完全なプロテクトのマントラです。」
「このマントラは、いい存在も悪い存在も全てが近づけない完全なプロテクトをします。」
マントラ、回数や呼吸などやり方が丁寧に説明される。

いい存在すらも近づけないなんて凄いプロテクトだな…忘れないように繰り返しぶつぶつ唱えて覚えていく。

最後に今回の修行のメイン、ハイアーセルフに会うため、見えない世界と繋がるためのマントラの説明が始まる。

先程の2つに比べて長いマントラで、俳句のようなリズムで唱えられそうだけど、唱える回数はかなりの回数だな…。

これを覚えたら日本に帰国してからも一人でできるよ、とG氏がやり方を説明してくれいる。

昨夜女神に会えた部屋の状態を作り唱え続ければいいらしいが、かなりの回数を間違えず数えながらマントラも唱えて、尚且つ集中して行うのは至難の技のように思えた。

短い回数の略式もあるようだが、基本は4百数回唱え続けるのが正式なようだ。
今日はメインである儀式に必要不可欠なこのマントラを完全に覚え、夜の本番の儀式まで練習するみたいだな。。

「では早速始めていきましょう!」

G氏が立ち上がり、その場所にお弟子さんの一人がきて座った。
G氏に代わり、お弟子さんがマントラを一緒に唱えて教え込んでくれるようだ。

『そうね…練習あるのみだわ。』
気合いを入れ直しつつ、お弟子さんにご挨拶をする。

まずは、発音も含めて細かくマントラを覚えていくことからはじめ、みんなからの質問攻めにもお弟子さんは丁寧に答えてくれた。

何度も何度も繰り返し、数時間もたつとみんなで連続で唱え続けられるようにまでなった。

本番に向けた400回を越える回数を唱える練習に入っていく頃には、外はいつの間にか暗くなり夜が訪れようとしている。。。

 

つづく

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