MooN 〜Holistic Healing Room〜

2度呪詛をかけられて死にかけた話。。『1度目』12

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12

 

夕食休憩に入りみんなでレストランに移動したんだけど、、マントラを唱える声はまだ繰り返し聴こえている。

忘れないようにだったり、細かい発音の確認だったりと、そこかしこからマントラと笑い声が聴こえてくるちょっと不思議な楽しい夕食風景。
こんなに唱えていたら食事する人数増えやしないかと辺りを見渡す。。

『それも楽しいな…♪』

今ここでしか経験できない楽しい夕食を笑いながらマントラと共に楽しみ、また修行に戻っていく。

 

 

部屋に戻ると再びマントラを唱える修行が始まり、400回を越える回数を唱え続けて集中するので一回毎に終えると少し休憩に入るを繰り返した。

発音など含めてできるようになってきたと評価して戴けたのか、今までは声に出して唱えていたのを次からは心の中で唱える練習に入るようだ。

スタートの合図と共に心の中で唱える。この方が集中出来る気がする…。

先程とは違い静かな部屋…心で唱えるほど何かが部屋で張りつめていくような気がするのに、私の中は静かに穏やかになっていく…部屋は明るく電気はついたままだけど、先程より集中力がどんどん増して心が静かになっていく。

お弟子さんが数珠の玉を1つ1つと触り動かしている…視線をずらし真正面の白い壁を見つめながらマントラを唱え続ける…その時だった。

意識が完全にマントラだけになった瞬間…壁の真ん中辺りにすーっと線が左側から右側に向かって真っ直ぐと定規をあてて書いているかのように静かに現れる…

線が完全に右端まで辿り着くと、その線がパカッと裂け大きく上下に開いた!

目……だ。

蛇の目…!!

壁一面が一瞬で蛇の目に変わり、鱗や肉感的な感じまではっきりと見える!その大きな目で辺りをキョロキョロと何かを探すように見ている。。。まばたき…今したな。

こんなに大きな形で蛇の目を見る日がくるなんて…しみじみと美しい色合いの目を見つめてしまった。

その目が私を捉え見つめ返してきた瞬間、目も壁も煙のようにふわっと消えてしまい、奥に続く白い橋が架かり、その先には見覚えのある庭園が現れた……

これは…女神の宮殿の庭園?!

外は真っ暗の夜なのに、庭園は朝の色彩のようで全てがキラキラと輝き、それはとても美しく、そよ風が光る草木を揺らしている。
昨夜瞑想で見たものが手の届くまさに目と鼻の先に突然現れた。

壁があった場所が完全に別世界への入り口になってしまったのか。。!

いきなり立ち上がり壁に向かって行ったら驚かれるかな…?
行ってみたい…けれど、、
あの橋を渡ればきっと瞬間で女神の場所に行けるのだろうけど帰ってこれるのか??…そもそもこれ見えてるの私だけ?
お弟子さんは変わらず数珠を触って集中している、、

行ってもいいかな。。どうしようか。。。たっ…

「はい、終了です。」

その一声の瞬間壁が存在感をゆっくりと数秒かけて増していき、、壁になってしまった。

立とうとしたその時がもう…遅すぎた…

 

……あぁぁ…どうしたらよかったの??!

 

呆然としつつも、ふつふつ奥から興奮も沸き上がってきた。
休憩に入った瞬間にIさんをつかまえて先程の経験を矢継ぎ早に話す。

『…でね、Iさん…私行ってもよかったのかな?橋の向こうに。。』

「よかったんじゃない、行っても。」

 

速攻シンプルな返答がきた…そっか…そっかー!!
あぁぁぁ~やっちまった。。
そーだよぉぉぉ…こんなにサイキックの方々がいてくださって、G氏もいて、、違う次元行き来してるっていってたじゃーん。。余裕で帰ってこれたじゃぁぁーん。。。マントラを唱えられて、それが起きたってことだったんだよ…そおですよ…

あぁ。。

自分の決断力の無さにがっくりした…行けたんだわ…行ってもよかったんだ。。。

 

………しかし…美しかったなぁ。
本当に目の前にはっきりと別の世界があった。ベールのような一枚隔ててうっすらとしか確認したことなかったり、夢の中や瞑想でしか見たことなかった別の次元の世界が、目の前にはっきりと存在するのがこの目で見れた。

壁一枚向こう、そのくらい近くに一瞬で別の次元が現れる。

遠くにあるのではないし、いつかでもない、今ここに今この瞬間に現れる。

ここは確かにそうゆう場所だし、自分の波動が変われば、正しくマントラを唱えればそれは瞬間で起きることだけど、、そうなんだけど、、、今までとはちょっと違う所で何か気づきが起きている…。
Iさんの誘導瞑想で身体を飛び出した海での気づきもそうだった。
うまく言語化できないけれど、大切な事が起きたんだよね、、今。

後悔はありながらも、それはそこまで強く残らず、自分の体験はとんでもないギフトだったのだと感謝と嬉しさがじわじわと強くなってきた。

愛情深く私のレベルに合わせて何かを気づかせようとしてくれていて、たえず大切なあらゆることを惜しみ無く与えられ続けている。。

受け取れないことは起きていない。大切なものを与えて戴いているというのに。。
くぅぅ…迷いや躊躇多いな私……この癖は早く向き合って終わらせよう。

 

短い休憩後もう一度行ったマントラではなにも起こらず静かに終える。

真ん中の定位置にG氏が戻ってきて、お弟子さんは何人かで外に出ていった。

「少し休憩した後、外で本番を行います。準備をしているのでここで待っていてくださいね。」

修行の集大成というか、1つの区切りになるのだろうか…。
外では慌ただしく準備をしてくださっている。
これで終わってしまうの切ないなという気持ちと、外での本番という気合いが入り交じりドキドキしてきた。

「皆さん外に出てください。」
「外に出たら一切しゃべってはいけません。静かに移動してください。」

みんなでぞろぞろと外に出ていくと何もないヴィラの右側に誘導された。
こちらに来るのははじめてだ。
歩いて行きやすいように草が踏み固められ道ができていた。
先程まで明るい部屋にいたので、夜目になるまで多少時間がかかりながらも、誘導に従って歩いていく。

その道を奥まで歩くと生い茂る草に囲まれた広いスペースができていて敷物が敷かれている。
先頭から数人目にいた私は奥に入って行き履き物を脱いであがると、大きな石が敷物の下にあるようで足裏に存在感を感じながらうっかりこけないように慎重に歩く。
皆でだいたいの円になるように好きな位置に座るように指示されたので、石で姿勢が斜めになりそうな所をうまく調節してなんとか座る。

ヴィラも明かりが消されたのか、辺りは完全に月明かりだけになった。

少し目がなれてきたのでじっくり周りをみると、敷物の上は私達だけではないみたいだ。

座ると少し見上げる高さのサイドテーブルのようなスツールのようなものも用意されていて、その上にはそこそこ大きな花瓶が置かれているようだ。。何のためだろう…?
この位置からだとはっきりは見えないな。

G氏が突然箱を持って現れ、その箱をみんなの目の前で開けると直径10㎝はあるだろうか…?乳白色の球体タイプの電球が出てきた。
「これから儀式をはじめます。」

「誰かこの電球を持ってくれる人はいますか?何か存在がきたり、皆さんの集中力が高くうまくいっている時はこの電球が光ります。もちろんただの電球ですよ」

電球を掲げて見渡すG氏の問いかけに、今回唯一の男性参加者の友人SさんをG氏が指名して、Sさんは近くに行き電球を持った。
触っても何をしても当然光ることはなく。ただの電球だと確認する。

「このテーブルと水の入った花瓶も何かがくれば動き出します。これから沢山の存在がここへきますよ。」

「私も外から皆さんを見守りサポートします。」

「…では、始めましょう!」

G氏が去り、辺りは完全に静寂に包まれる。。
周りでサイキックの皆さんが見守りサポートしてくださってるようだけど、ここからでは見えない確認できない位置にいらっしゃるみたいだ。

さ…集中しよう。
完全な静寂が訪れる。。。

心の中でマントラを唱え続け集中力が高まっていくとさらに静寂が増していき、空気がはりつめていく。

自分の呼吸はかなりゆっくりと落ち着いていていき自分の中まで完全に静かになっていくのがわかる。。

「カタ………カタカタッ…ガッ…ガタガタガタガタガタガタガタガタッッッ!!!」

きた…

はりつめた空気の静寂な空間に大きな音が鳴り響く。
あのテーブルと花瓶が激しく動き続けているようだ。
やはりこの位置からだとよく見えない…。

今度はバチバチと点滅する光が視界に入ってきた、、Sさんの持つ電球も光はじめたようだ!

光り続けることなくぷつっと暫く消えて、またバチバチバチと点滅して光るを繰り返す。
冷静にマントラを唱え続けて集中した。

するとまた激しくテーブルと花瓶が動きだし大きな音をたてはじめると、今度は電球が点滅ではなく安定して光り続けている!

持っているSさんやテーブルと花瓶までよく見える明るさまで光って眩しく感じた。

うまくいってるんだ…!
そう思った瞬間電気が消えてしまった。。いかん…感激して油断した。

もう一度呼吸を整え集中力を上げていくとまた電気が点滅しはじめ、すぐに光り続ける。
周りの空気はどんどん変わっていく。。
静寂な中に感じるざわめき、、周りの空気、時間や空間全てが震えている。

ここに自分一人だけしか存在しないような感覚と、何か未知な別の空間や存在の中に入ってしまったような… なんとも形容しがたい不思議な感覚に包まれた。

少し遠くからがさがさと何かが動いてる音やら騒がしい感じもするが気をそらしすぎないように集中し続ける…

が、、突然大きなG氏の声と通訳するIさんの声が静寂な空間に突如入ってきた。

「もっと意識を集中してっ!!!」

姿は見えないが暗闇から何度も繰り返し大きな声で同じ指示がされている。

どおしよ…逆に集中できない、イライラと焦ってくる。
少しの間静かな時間…チャンスが欲しい。このままだと集中切れそう。。

「集中してー!!!」

だめだ。。このままだとやばいな…。

いやいや…いかんっ…仕切り直そう。
大きく深呼吸して焦りを手放す。。

視線を近くの木や草にフォーカスを変えて見つめながら呼吸をし、目を閉じる。
…切り替えろ…もう一度集中して。

声が気にならないところ、自分の心地いい本来の位置まで持っていき気持ちを整える。

静かだ…

目を開けマントラを唱えて集中力をあげていく。

再び安定して電球が光り花瓶も騒がしく動きはじめた。。よしこのまま集中しろ自分…!

声が遠くで聴こえながらもかなり安定して集中している。
しかし、またバチバチと点滅しはじめてしまった。
まるで接続不良のような、バッテリーがきれかかってるような光りだ。

そして光りは失われ、G氏とIさんの大きな声の指示が近くで感じる…。

 

。。。集中力が切れた。

 

 

つづく

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